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第25話 自動販売機の省エネルギー

 日本自動販売機工業会のホームページによれば、2007年末自販機普及台数は4,167,100台となっております。
この中で消費電力量の多い飲料の自動販売機は、2,638,800台で全体の約63%を占めております。
 自動販売機が溢れているとは思っておりましたが、こんなにも多いとは予想だにしておりませんでした。

 ザックリと消費電力量を試算してみます。消費電力を圧縮機の電動機が500W、照明等で100Wとしてみましょう。
 {100+500×50%(稼働率)}×24時間×365日=3,066kWh/年(月平均255.5kWh)
となります。
電気料金単価を21円/kWhとすると5,366円/月となります。飲料メーカが月額5,000円程度と言っているようですので、上の試算は当たらずと言えども遠からずといったところでしょうか。
 全国の自動販売機が年間に消費する電力量をトータルしてみますと
 3,066×2,638,800=8,090,560,800kWh
ととてつもない数字になってしまいます。

 ちなみに我が家では、省エネコンテストへ参加したこともあって省エネに取り組み、4月分(年間で一番少ない)の消費電力量が244kWhでした。何と自販機の消費電力量が5人家族の使用分に相当するとは少々驚きでした。 この数字をどのように捉えたら良いのでしょうか?
 このように書くと直ぐに魔女狩り的に自販機の規制云々と議論が進展してしまいそうです。
このようなことは自販機のみならずコンビニやスーパーの終日営業や自動車など色々な場面で極端な議論に遭遇します。
しかし我々は果たしてこれら現代文明によってもたらされた利便性を易々と捨て去ることができるでしょうか?

 幸いにして自販機業界も技術開発により、省エネタイプの自販機が製造されております。
 先述の日本自動販売機工業会のホームページにおいて1991年からの3次にわたる消費電力量低減計画により缶飲料自販機1台当たりの年間消費電力量を約半分にしたと記されております。
しかしながら自動販売機の年間出荷台数が約50万台程度ですから、約400万台の自動販売機が入れ替わるのに8年もかかることになってしまいます。

 省エネタイプの自動販売機への入替えが進展しないのは、飲料メーカーが自動販売機の設置費用を負担しているケースが多く、 なおかつ電気代はロケーションオーナーの負担となっていることが多いので、飲料メーカーなどが積極的に省エネ化する必要性を感じていないことによるものと思われます。
 ロケーションオーナーの方で、省エネタイプの自販機に費用をかけずに交換したいとお考えでしたらご一報ください。お役立ち情報(無料)をご提供申し上げます。

 年間50万台の出荷台数を2倍にすることができれば、総入れ替えが4年に短縮できます。これで莫大なエネルギー浪費が防止できます。
これ等は補助金などの対象としても費用対効果が大きいものと思われます。少なくとも排出量取引で外国に支払う金があったら是非とも国内に投資すべきであろうと考えます。 (参考:第19話 排出権取引と排出抑制

<参 考>
第13話 電球型蛍光灯による省エネルギー
第21話 デマンド管理による省エネルギー
第22話 インバーターによる省エネルギー
第23話 エアコンの省エネルギー
第30話 温度管理によるエアコンの省エネルギー
第43話 設備改修による省エネルギー
第49話 LED照明による省エネルギー

2008/07/24新規

2009/06/07更新


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