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第65話 操縦訓練記(14)−タッチアンドゴー−その7

 ファーストソロ以降、ソロフライトに出ておりません。以前にもご紹介しましたように佐賀空港は横風(クロスウインド)が多く、クロスウインドでの離着陸 が頻繁に発生します。
 セスナ172Pのクロスウインドでの着陸はウイングロー法によります。横風成分に負けないように風上にバンクをかけます。バンクがかかるとその方向へ横滑りが発生しますので、 これと横風成分がつり合えば風に流されることなくセンターをキープできます。
 しかし、バンクをかけると機軸がズレますので、ラダーで機軸をセンターラインに合わせる必要があります。
 私にとってこの操作がなかなか難しく、大きな壁にぶちあたっているのです。
今までは、調和のとれた旋回ということを念頭において操縦していたのです。エルロンとラダーの調和をとり、旋回計のボールを飛ばさないようにすることでした。
ウイングロー法では、逆に意識的にボールを飛ばさなくてはなりません。そしてエルロンとラダーが逆操作(エルロンが右ならばラダーは左)になるし、 その量も風の変化に応じて微妙に調整しなければなりません。そして、そのまま引き起こしの操作へと繋げていかねばなりません。

 何もクロスウインドでのランディングが初めてであった訳ではありません。7〜10ノット(MAX 14ノット)程度のクロスウインドでのランディング訓練を経験しております。
どこが異なるかというとウイングローへ移行するタイミングです。以前は、滑走路末端付近までクラブ法(蟹の横ばいのように少し風上に機首を向けて飛行する)で進入し、 ウイングロー(もどき?)に移行していたのです。
 クラブから機軸をセンターラインに平行になるように戻しつつウイングレベルを水平よりやや風上側へ傾ける程度のことで比較的容易に出来ていたように思います。
 しかし、この方法によると横風が強い時や風が急変した時などに低高度での急激な操作につながる可能性があるので、早い段階でウイングローに持込む必要があるということで この訓練を始めたのでした。もうひとつは、高度処理のためのスリップ(フォワードスリップ、サイドスリップ)によるランディングの練習にもなるものと思われます。

 新たなことを始めたことで、今まで積上げてきたものが堰を切ったように瓦解してしまったような気がします。ソロに出られたとはいえ、その程度の技量しか無かったということでしょう。

 ここしばらくこの壁を乗越えるまでは悩み多き時間が続くと思われます。これは理屈ではなく身体が反応できるかどうかに懸かっているのだと思います。

  現在までフライト回数31回、着陸回数138回、総飛行時間27時間25分となりました。(内、ソロの飛行時間0時間25分)


2009/04/24新規

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