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第55話 家庭でできる電力測定と省エネ活動

 「第36話 見える化によるコストダウン」で書きましたように「省エネコンテスト」に参加し「省エネナビ」を貸与していただいております。 「省エネナビ」の効果は当該ページを参照していただくとして、「省エネナビ」から得られる情報を分析し、具体的な行動を検討するに際して、もっと細かな情報が必要になります。
「省エネナビ」はメインブレーカーの近傍にセンサーを取り付けておりますので、全体の電力使用量をモニターすることとなります。 ですから目標管理や時間帯毎の電力量推移などの把握には適しますが、個別の家電製品の使用状況を把握することはできません。
例えば、この時間帯の電力使用量が多い原因を推測できても一体どれくらい使用しているかは判りません。そこで個別に測定するツールが必要になります。

 そこで、市販されている電力測定装置で安価に入手できるものを調べてみました。

「エコワット」と「ワットチェッカー」の比較表
エコワットワットチェッカー
価格3,000円6,000円
電圧×
電流×
有効電力×
皮相電力×
周波数×
力率×
積算電力量
積算時間
電気料金×
CO2排出量×

 価格は何れも通販価格です。 また、「エコワット」は5W以下は測定不能とのことです。「ワットチェッカー」も微小電力の測定精度は似たりよったりと思われます。 更に、「エコワット」は電圧=100V、力率=100%として電力を計測しているとのことでした。

 最終的には、測定項目が多いということで「ワットチェッカー」を購入しました。 電気料金やCO2排出量は、表示があれば便利だとは思いますが、単価や係数を電力量に掛ければ済むことですので決め手にはなりませんでした。 同様に価格の差も3,000円程度ですから余り気になりませんでした。

 購入して先ず手始めに電力が調整可能(パソコンの液晶ディスプレイやテレビの明るさなど)なものについて、有効電力を見ながら測定してみました。
 以下に17インチ液晶ディスプレイの測定結果を示します。

液晶ディスプレイのバックライトの明るさ設定と消費電力の関係
明るさ設定0102030405060708090100
消費電力(W)1011121314151617202731

 その結果、当初25Wであったは消費電力を実用上差支えない明るさまで落とすことで17Wにしました。8W削減できたことになりますので、稼動時間8時間とすれば、 64Wh/日になり、稼働日を20日/月とすると年間15.36kwhの削減となります。勿論、パソコンを使用していない時にはコンセントから抜いて待機電力使用しないようにしていることは言うまでもありません。

 ディスプレイ1台では大した効果がないように思われるでしょうが、大規模な事業所ではおびただしい数のディスプレイを使用していることでしょう。 ほんの僅かな時間で調整ができ、明るすぎないようにするだけですので何の不都合もありませんし(逆に眼に優しいかも)、その効果は持続的なものです。

 同様に、テレビも調整しました。観ている最中に明るさを調整すると何となく違和感を覚えますが、次に観た時には調整したことは判りませんし、 調整したことを家族に気付かれることもありませんでした。
 要は何気なくその明るさ(出荷時設定)にしていたということに過ぎません。

 次に測定したのが冷蔵庫です。これは室温の変化と消費電力の関係に興味があったからです。これには根気が必要で、毎日時間を決めて使用電力量を記録する必要があります。 ただ、室温の変化をどのようにするかが問題です。これには「省エネナビ」にご登場願うこととなります。「省エネナビ」は1時間毎の平均温度を測定しておりますので、 台所に設置すれば、このような用途に活用可能です。

 現在は、データ収集の最中ですので、何れご報告の機会があろうかと思います。

 このように個別データを取得することで、より詳細な分析や行動を可能にします。これぞといった家電製品に着目し、測定して対策を考えます。
 例えば、我が家の電気ポット追放などが良いケースだと思います。電気ポットは電気ヒーターで沸かし保温するもので、保温能力はさしてありません。 オマケに未使用のお湯を一晩中保温していることが再々でした。前々から魔法瓶タイプにしようと提案(未使用の製品が物置の片隅に放置してある)していたのですが、 ヤカンでお湯を沸かすのが煩わしいらしく、なかなか了解が得られませんでした。
そこで「ワットチェッカー」にお出ましいただきました。一週間の使用電力量を測定して、電気料金を計算しますとビックリするような金額になってしまい、皆に納得してもらうことができました。  それ以来、私が朝一の湯沸し役にされてしまったのは想定外のことでしたが・・・。しかしながら、小容量のポットにこまめに沸かすようになりましたので、使い残しが減るなど の副次効果も出てきます。更に、炊飯ジャーの保温をしなくしたりとアイデアは次から次へと出てきます。
 そして、実際に測定して効果があるのか無いのか的確に判定できます。そういった意味で、省エネ実践には不可欠なツールだと思います。 ご家庭にあるいは事業所に是非一台欲しいところでしょうか。
おそらく購入に必要な3,000円ないし6,000円の出費は、そう遠からず電気料金の削減で戻ってくると思います。

 そうそう定額給付金には、このような使い道もあると思いますが、如何でしょうか。

 



テレビの有効電力測定中の様子


<参 考>
 第8話 電力と電力量
 第67話 エコドライブへの挑戦
 

2009/02/14新規

2009/06/28更新


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