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第46話 操縦訓練記(8)−タッチアンドゴー−その3

 予想されたこととはいえ、このテーマで3回も書くことになってしまいました。3回で終われば良いのですが・・・。

 タッチアンドゴー(TGL)訓練も8回目となりましたが、まだまだ納得がいくというか、独力でランディングできたという実感がありません。 前回の訓練から着陸8回中ノーフラップランディングが2回入るようになりました。ノーマルランディングもろくにできないのにと思うのですが・・・。 とついつい弱気になってしまいます。
ランディング100回までには、まだまだ余裕(?)があるとはいうものの、何がしか改善の兆しでもあればと思う次第です。

 今回の訓練では、途中で風向が変わったため使用滑走路をチェンジ(RWY 29→RWY 11)しました。 タッチアンドゴー後、一旦RWY 29のレフトダウンウインドに入り、180°旋回してRWY 11のライトダウンウインドに入りなおしました。 これで一回タッチアンドゴー後、それ以後はRWY 11のレフトトラフィックを使用して訓練を続けました。この経路は初めてでしたので、なかなか要領をつかめず苦労しました。
ATCでもRWY No.やレフトとライトを言い間違えたりで、惨憺たるものでした。尚且つターンの方向が入り乱れましたので、方向感覚も失ってしまいました。
RWY 11を使用しているにもかかわらず、RWY 29を使用しているような錯覚を覚えてしまいました。
 以前にもホールドの時に位置を喪失したような感覚にとらわれました。どうも旋回すると方向感覚がなくなってしまうようです。
これってパイロットにとって致命傷になるものでしょうか?

 相変わらずパスの修正が後手後手に廻ってしまいます。センターに合わせるのも未だしの感があります。引き起こしは何となく感覚的に解りかけたような気がしますが、 少しタイミングが遅いと指摘を受けました。

 以前「第10話 大空への憧れ(1)」でご紹介しました「スティックアンドラダー」をここ数日読み返しております。 この書籍を入手したのは確か6,7年前のことだと思います。当時は相当に読み込んでいたようで、アンダーラインや書き込みが随所に見られます。
 しかし、実際に操縦訓練を開始してから読んでみると以前受けた印象と明らかに異なります。 以前は「こんなものかなー」といった漠然としたイメージでしか捉えることができなかった事柄が、現在は明確に理解できるようになっておりました。
書かれている内容に一々頷くことしきりです。本書の素晴らしさを改めて認識させられました。特に、迎え角(Angle of Attack)の重要さをとことん学ぶことができました。
 しかしながら、自分の技量アップに貢献しているかというといささか疑問に思います。飛行に関する知識は確実に深まりましたが、それだけでは操縦できません。
当り前といえば当り前のことなのですが、技量を身に付けるには実際に操縦してみないとできません。
 それと咄嗟の判断や行動などは訓練によって身に付けるしかないと思います。地上で思い返せば何でも無いことが機上ではなかなか実行できないものです。
ひたすらこのようなことの繰り返しですので、時々嫌になってしまいます。しかしながら頭で理解できていないことが行動に結びつくこともないものと思いますし、 人間がとる本能的・反射的行動を抑制して正しい操作を行わせるのは理性と正しい知識に他ならないと思っております。

 これらの困難を何とか乗り越えて、次のステップに進んで行きたいと思います。

 現在までフライト回数17回、着陸回数59回、総飛行時間16時間05分となりました。

2009/01/23新規

2009/01/31更新

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