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第100話 農業と省エネルギー

 記念すべき第100話の話題として、現在の私にとって重要な課題である「省エネルギー」と「農業」について書いてみたいと思います。

 省エネは、ここ十年以上仕事の中心となったテーマです。いわゆる私のライフワークみたいな位置づけです。 農業は今年から始めた(第88話 農業ことはじめ)もので、私自身の生き方(ライフスタイル)みたいなものです。 ですから採算とかは考えずに楽しみながら自給自足的農業を目指しております。

 さて、農業というと環境にやさしいとかと思われる方が多いと思います。確かにそのような農業も可能でしょう。
しかしながら、農業を産業と考えると途端に環境にやさしい農業とは言えなくなってしまうような気がします。農業の生産性を向上させるためには、 大規模集約農業化し、作業の機械化を行い、病害虫から作物を守るために農薬を使用し、収量増加を図るために化学肥料を用います。
 当然のことながら、機械は燃料を消費し、農薬や肥料を製造するにもエネルギーを消費します。また、ビニールハウスなどの施設園芸のためには 更なるエネルギーを必要とします。


 ここで、少々古いのですが農業において如何ほどのエネルギーを使用しているかといった統計資料をご紹介します。

<水稲栽培における投入エネルギー(GJ/ha)>
年度投入エネルギー(燃料、肥料、機械類など)産出エネルギー(玄米収量換算)産出/投入比 
195038.3948.721.27
195556.0762.161.11
1970155.2372.660.47
1974197.4474.340.38

(出典:宇田川武俊 1976年)

 のように産出/投入比が年々減少しております。(産出エネルギーは出典からは明らかではありませんが、高位発熱量であると推測されます。)
食品として米が食されることを想定した場合、産出/投入比が1.00を切った段階で、もはや産業として成り立たないのではないかと思われるのですが・・・。
このデータには流通に係るエネルギーは入っておりませんので、更に状況が悪くなってしまいます。

 これは水稲のデータでしたが、バイオエタノールではどのようになっているのでしょうか?
残念ながらこのデータを見つけることができませんでした。(ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。)
 バイオエタノールの主原料はトウモロコシやサトウキビなどのバイオマスです。バイオマスをアルコール発酵させ、エタノールを生成し、内燃機関などの燃料として 使用しようとするものです。
 バイオエタノールが注目されたお陰で、穀物相場が高騰したのは記憶に新しいところでしょう。確かにカーボンニュートラルということで環境にやさしいということなのでしょう。 しかしながら、水稲の産出/投入比のようにこれが1.00(燃料としては低位発熱量を用いる必要があります。)を切っているとしたら全く意味を成しません。
諸外国の農業は日本と比べて大規模であるから投入エネルギーはもっと低いのかも知れません。しかし、大規模化すればするほど機械化が避けられない現実があります。 私の手元にデータが無いので残念ですが、ここはデータに基づいて議論をしなければならないと考えます。

 「自然農法」の目指すところはエネルギー投入量を限りなくゼロに近づけることです。エネルギー投入以上にエネルギーを得ることができるもの、それが本来の 農業のあり方なのかも知れません。それでこそ持続可能性が維持できるようになるのです。例え生産性が低くとも環境に対して過大な負荷をかけることはありません。

 私達が自然の中で生き延びていくためには、自然を壊さない範囲で自然の恵みをありがたく受取ることだけなのかも知れません。

<2010/10/21 追記>
 次の資料を見つけました。「平成20年度第1回秋田県バイオエタノール推進戦略研究会
これは稲藁からバイオエタノールを製造する取り組みです。
本資料のLCA評価によれば、地域によってバラツキがありますが、
化石エネルギー収支=3.6〜7.2
総合エネルギー収支=1.2〜1.4
となっております。
これらの結果によれば、総合エネルギー収支が1.0以上ですので、生産されたエネルギーが投入エネルギーを上回っておりますので意義があるということになります。 しかし、1.2という数値はほんの僅かに上回った数値です。何らかの評価ミスがあればこれ位の数値は吸収されてしまうかも知れません。
ただ、トウモロコシなどと違って穀物価格に影響を及ぼさないことから良い方法です。もっと効率的に製造する技術の改善が待たれるところです。

<参 考>
第99話 農業ことはじめ(7)−自然農法について

<2013/05/18 追記>
植物工場(野菜工場)」 「現代農業は巨大な化学実験場か?

<2013/06/12 追記>
スマートアグリについて」 「スマートアグリについて(2)

<2013/12/29 追記>
究極の省エネ農法〜それは自然農にあり!

<2014/02/18 追記><2014/07/11 URL変更>
省エネ農法〜自然農ことはじめ(自然の掟に従い、エネルギーを極力使わず栽培する農法、それは耕さないことから始まります。自然農への挑戦を綴ります。)

2010/10/19新規

2014/07/11更新


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