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第31話 効率化と浪費

 近年の省エネルギー技術の進歩はめざましいものがあります。例えば、自動車の燃費改善、エアコンや冷蔵庫などの家電製品の消費電力量改善などがあげられます。
そして「エコ替え」という言葉に代表されるように省エネ製品への買い替えが推進されています。確かにこのことによって省エネが進んでいることでしょう。
 これは製品の高効率化による省エネルギーといった側面を表しております。

 一方、同じ製品を使うにしても、その使い方によって消費エネルギーに差が出てきます。
自動車の急発進・急加速、エアコンの温度設定、照明の消し忘れ等々、身近な例が沢山あげられるでしょう。
 こちらは製品の使い方による省エネルギーといったことになるでしょう。

 このように作り手側にはより効率の良い製品が求められ、使い手側にはよりエネルギーを使わない使い方が求められます。
この両面が相俟って現時点での最高の省エネルギーが達成されると言い換えることができます。

 しかし現実はどうでしょうか。効率の良い製品をメーカーが出しても買い替えが急速に進展しているとも思えません。 製品寿命や国の政策(減税や補助金などの買い替え促進施策)にもよるでしょうが、少なくとも買い替えが進展したといえるようになるためには、5年〜10年のオーダーとなるでしょう。
いくら良い製品が開発されたにしても、実際に効果が現れるにはタイムラグがあります。

 すぐにでも効果を発揮できるのが使い方です。同じ自動車でもエコ・ドライブにより5%程度の燃費削減は簡単でしょう。頑張れば10%以上の省エネも可能です。
逆に、使い方によっては増エネも簡単にできるということでもありますが・・・。
更に言えば、いくら効率的な製品ができても使い方によっては省エネにならないこともあります。
例えば、燃費が10%改善されたとしても11.1%浪費するようになればプラスマイナスゼロとなってしまいます。これ以上に使い方が悪くなれば増エネです。 尤も、買い替えなければ、もっと増エネになっていた訳ではありますが・・・。
 燃費が改善したことにより「まぁチョットは良いか」などと気が緩んだりすることは人の常であります。

 また、テレビの場合には、画面サイズが同じブラウン管から液晶やプラズマへの買い替えの場合には省エネになると思われますが、果たして同じ画面サイズで我慢できるでしょうか?

 ちなみに
 ・21型ブラウン管テレビの消費電力   約75W
 ・42型プラズマディスプレイの消費電力 約450W
と大きく異なります。画面の面積比は4倍ですが、消費電力比は6倍となってしまいます。

 よくよく検討して買い替えを行うべきではないでしょうか。

 省エネルギーを推進するためには、メーカーは製品の性能を競い、ユーザーは製品の特性を良く理解して使うといったことになるのでしょうか。

至極ありきたりの結論になってしまいましたが、その当たり前のことができていないという現実があるのも認めざるを得ないのではないでしょうか。

<参 考>
替えエコの具体的お奨め策(市民のための環境学ガイド)
第11話 省エネ製品への買い替え

2008/09/13新規

2009/01/24更新


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